歯周病治療

歯周病とは?

みなさんはご存じですか?
歯周病は、日本人の歯を失う最大の原因といわれています。
歯周病は歯を支えている『顎の骨』と『はぐき』が弱っていく病気で、痛みを伴わずに進行するため、歯周病になってしまっても気が付かないかたがほとんどです。

日本人は「成人の約半数が歯周病にかかっている」といわれ、いまや国民病のひとつにもあげられます。
歯周病の症状や特徴は下記のように大きく3つの時期にわけられます。

軽度の歯周病

はぐきが腫れる程度の状態で、歯磨きの際に出血することもあります。

中等度の歯周病

歯を支えている顎の骨が少しずつ溶かされてしまいます。骨が溶けてくると、はぐきも腫れた状態で下がり始めます。この時期になると、はぐきから血や膿がでやすくなり、体調が悪い時などに「歯が浮いている」感覚を覚えることもあります。

重度の歯周病

さらに進行してしまうと歯の支えがなくなるため歯がグラグラと揺れ出します。また、今まで噛めていたものも噛めなくなってしまいます。はぐきもかなり下がるため、見た目の変化として「歯が伸びた」ような状態になります。歯並びや噛み合わせが大きく変化します。

虫歯はある一定の大きさまで進行すると自覚症状が現れ気付くことが多いですが、歯周病は自覚症状が現れるまでかなりの時間がかかります。
そのために、自覚症状が現れたころには重度の状態になっていることも多く、歯を抜かなければならないことも多々あります。また歯周病の原因菌が内臓や呼吸器の疾患、糖尿病さらには早産に大きな影響を及ぼすことも最近の研究で明らかになってきました。

このように歯周病は「ただ歯を失う病気」というだけでなく、「全身に影響を及ぼす」怖い病気なのです。

お口は全身の入り口です。入口が病気に侵されていたら、身体の中も完全に健康な状態を維持するのは難しい、というのはうなずける話です。

症状がない、痛くないからまだいいや、というのは非常に危険です。早期に治療すれば、その分費用も安く治療期間も短く済みます。是非、定期的な健診をオススメします。

歯周病になる前に

虫歯も歯周病も進行してからの治療というのは麻酔が必要だったり、痛みを伴うなど患者様にとってストレスがかかってしまいます。

『歯を可能な限り残したい』、『ストレスや痛みが出来るだけ少ない治療がいい』という思いは、みなさん同じだと思います。であれば、大切なことは進行する前にくいとめるという『予防』の考えです。

特に歯周病は自覚症状が現れてからでは遅いと思ってください。
というのも、歯周病は初期症状を自覚しにくく、進行して初めて痛みや出血を伴うのです。

まずはご自身のお口の中を鏡で確認してみてください。はぐきが腫れていないか、以前よりも下がってきていないか、プラークや歯石が付いていないか・・・。明らかに自分の目で見てわかるようであれば歯周病のサインです。

また、見た目や自覚症状がなくても歯科医院を受診しお口の中がどのような状態なのかをご自身で理解しておくことも大切です。

歯周病の治療方法

歯周病の原因は歯の根元に付いた『プラーク』と『歯石』です。歯周病の治療とはその『プラーク』や『歯石』を除去することからはじまります。

重度の歯周病

1. 「ブラッシング指導」

いくら歯科医院でプラークや歯石を落としても、日常生活における「正しい歯磨き」ができていないと意味がありません。せっかく治療しても、日々のケアが正しく出来ていないと再発してしまいます。まずは『正しい歯磨き』を覚えていただきます。

2. スケーリング

はぐきよりも上に付いている(つまり肉眼で確認できる)プラークや歯石を落とします。この段階では特に麻酔は必要ありません。歯石とは、歯に付着した固い石のようなものです。これはご自身で除去することは出来ないので、プロの衛生士が施術します。

3. ルートプレーニング

はぐきの中に入り込んでいる(肉眼では見えません)歯石を落とします。歯の周りのはぐきに麻酔をし、はぐきの中に器具を入れて歯石を取ります。

4. 精密検査

これまでの治療において、どの程度はぐきの状態が改善されたかを検査します。検査の結果、状態が落ち着いているようであれば治療は終わりで、メンテナンスへと移ります。また、被せものなどの治療が必要な場合は型採りへと進みます。

5. 歯周外科

検査の結果、あまり改善が見られない場合は外科処置へと移ります。麻酔をし、はぐきを開いて残っている歯石を取り除きます。その後はぐきを縫い合わせて治癒を待ちます。

「自分は大丈夫」とほとんどの方は思われていると思います。ただ、日本人の成人の8割は歯周病予備軍だと言われています。つまり、ほとんどの方はまだ自覚症状がないだけで歯周病予備軍なのです。

歯周病がひどくなるとどうしても麻酔を使った処置が必要になり、治療後に痛みがでることもあります。そうならないためにも定期的な検診を受け、歯周病の予防をすることをおすすめします。